アパトサウルス
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基本データ
- 分類:竜脚類
- 属名:Apatosaurus
- 生息年代:ジュラ紀後期
- 食性:植物食
- 全長:約21メートル
- 重さ:30トン
- 化石が発見された場所:アメリカ合衆国
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特徴
アパトサウルスは昼夜を問わず活発な恐竜であった。成体の重さは5頭の象と同じくらいであったので、この恐竜が歩くと地響きが鳴った。歩くたびに地響きが鳴ったことから、かつてこの恐竜は「ブロントサウルス(雷のトカゲ)」と呼ばれたこともある。
現在、この恐竜の名前はアパトサウルス(迷わすトカゲの意)だが、この巨漢にはあまり当てはまりにくい名前のように思われる。肩の高さまでは3.4メートルほどもあり、全長はおよそ21メートル、重さは30トンもあった。この恐竜は図体が大きかったこともあって、どこにも隠れることができず、地面の下にもぐることもできなかった。
ほかの近縁の恐竜、たとえばディプロドクスやバロサウルス、スーパーサウルスと同じように、アパトサウルスの頭部も小さく、首は細長かった。四肢は太い柱のような形をしていて、シッポは長く、先端がムチのような形をしていた。
アパトサウルスの首は頭部の近くでは細いが、胴体の近くになると太くなっていた。長い首をもっていたが、キリンのように高いところにまで頭部を持ち上げることができなかった。肩の高さよりも上まで届かなかったと思われる。
足はまっすぐでがっしりしており、つま先が象のように丸っこい形をしていた。前足のつま先はとがっておらず、つま先の内側に向ってツメが伸びているだけであった。後ろ足には3本のツメがあって、それは雌牛のヒヅメに似ていた。
アパトサウルスは肩よりも腰の部分の位置のほうが高かった。アパトサウルスが立ち上がったときの腰の高さはおよそ4.5メートルであった。腰の部分は大きく、股関節によって、歩くときに重い体重からくる圧力を支えた。
シッポは数トンの重さがあり、アパトサウルスは歩くときにシッポを使って体のバランスを保った。シッポの長さはおよそ9メートルほどであった。
生態
昔の古生物学者はアパトサウルスについて間違った見解をもつことが多かった。この恐竜のサイズが大きかったので、科学者はアパトサウルスが水中に生息していたのではないかとも考えていた。実際は、アパトサウルスは半乾燥地帯に生息していたのである。また、アパトサウルスが地上を歩いていたことは、この恐竜の足跡の化石によってわかっていることである。それと、この恐竜の骨格が研究されて水中生活に適応していなかったことが発見されている。
何年もの間、恐竜を描くアーティストや科学者たちは、アパトサウルスがシッポを地面に引きずりながら歩いていたのだと考えていた。しかし、これに対する証拠は無い。竜脚類の足跡の化石にシッポのあとが見つからず、また、シッポの骨に擦り切れたような跡や、損傷が無かったということもある。それとともに、もしシッポを地面に引きずっていたら、シッポは2〜3トンもの重さがあったので、植物にシッポがからむこともあっただろうし、岩の裂け目にシッポが入り込むこともあったかもしれない。アパトサウルスは体のバランスを保つために、シッポをひょろひょろと動かしながら、地面よりも高い位置に持ち上げて移動していた。
ほかの竜脚類と同じように、アパトサウルスは草食恐竜であった。30トンもの体重がある体を維持するために、この恐竜がどのようにエサを食べていたのかについて、古生物学者たちの間で議論があった。十分な食べ物を体内に吸収するのに、アパトサウルスの頭部やアゴは小さすぎるのではないかという考えもある。また、この恐竜が生息していた頃にたくさん生えていた球果植物は、アパトサウルスのような巨大な恐竜にとって十分な栄養源にはならなかったのではないかとも推測されている。
アパトサウルスの体内には食べ物の消化を助けるための胃石と呼ばれる消化器官があった。アパトサウルスは小石を飲み込んで、その小石が胃の中で植物をすりつぶすのに役立ったのである。胃石はアパトサウルスや近縁の恐竜の化石の中から時折発見されることがある。
大人のアパトサウルスには天敵がほとんどいなかったが、若い個体はアロサウルスやケラトサウルスのような大型の肉食恐竜にとって格好のエサであった。アパトサウルスの子供は親のそばにいつもくっついていて、大人たちは子供を天敵の攻撃から保護していた。テキサスで発見された恐竜の足跡の化石によると、竜脚類が群れをなして移動していたことがわかった。成体の恐竜が群れの外側を歩き、幼い恐竜が群れの内側を成体によって保護されるかたちで歩いていたことを、その化石は示していた。
化石について
アパトサウルスの化石は米国のユタやコロラド、ワイオミングで発見された。この恐竜の名前は、アメリカの古生物学者、オスニエル・C・マーシュによって1877年に命名された。アパトサウルスとは、「迷わすトカゲ」という意味であり、この恐竜の化石がほかの竜脚類の化石と非常に似ていることから、この名前がつけられたのである。
1879年に、オスニエル・C・マーシュは別の恐竜に、「ブロントサウルス(雷のトカゲ)」という名前をつけた。しかし、後になってふたつの恐竜が実際には同じものであることがわかった。現在では、ブロントサウルスという名前は使われていない。
付記すべきこととして、米国ではアロサウルスの歯型がついたアパトサウルスの骨の化石も発見されている。これは肉食恐竜であったアロサウルスがアパトサウルスを攻撃したことの証拠になっている。
豆知識
米国のペンシルベニア州ピッツバーグにある、『カーネギー自然史博物館』で、アパトサウルスの骨と間違えた骨が展示されたことがある。その骨はカマラサウルスのものであった。
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