ダスプレトサウルス
基本データ
- 分類:獣脚類
- 属名:Daspletosaurus
- 生息年代:白亜紀後期
- 食性:肉食
- 全長:10メートル
- 重さ:3000キログラム
- 化石が発見された場所:カナダ、米国
特徴
そのどっしりとした頭部と大きな歯から、ダスプレトサウルスがかつて地上の支配者であっただろうことは疑いない。
二本の強靭な後肢で、巨大な胴体を支えていた。後肢の先端には3本のカギヅメがついていて、おそらく、捕まえた獲物を食べるときにこのカギヅメを使ったと思われる。ほかのティラノサウルス類と同じように、前肢は短く、それぞれ2本の指がついているだけであった。
ダスプレトサウルスはアルバートサウルスと同じ時期に生息していた。これらの二つの大型の肉食恐竜がどのように共存していたのかについては謎に包まれている。おそらく、これは今日の東アフリカにおいて、アフリカライオンとチーターが一緒に暮らしているようなものなのだろう。アフリカライオンとチーターにはそれぞれ異なった狩りの仕方がある。また、両者はそれぞれ別の動物をねらう。ライオンがシマウマやヌーなどの獲物に向ってこっそりと近づいて攻撃するのに対して、体がほっそりとしていて足の速いチーターは獲物に向って飛び掛っていく。
あくまで想像の範囲内のことではあるが、ダスプレトサウルスは角竜類に向ってライオンのような狩りの仕方をし、一方で体がほっそりとしていて、動きの素早かったアルバートサウルスはチーターのようにハドロサウルスなどを襲ったかもしれない。
化石について
ダスプレトサウルスは1921年にチャールズ・スタンバーグによってカナダのアルバータ州で発見された。最初、チャールズ・スタンバーグは発見した化石をゴルゴサウルスの一種であると考えた。また、科学者の中には、ダスプレトサウルスの化石がアルバートサウルスの成体の化石であると主張するものもいた。後の研究で、これらのいずれでもないことが明らかになった。最初の発見から50年ほど過ぎた1970年に、デール・ラッセルがダスプレトサウルスの記載を行なった。ダスプレトサウルスとは、「恐るべきトカゲ」という意味である。
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