デイノニクス


Skeleton and Model of Deinonychus
Skeleton and...
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基本データ

  • 分類:獣脚類
  • 属名:Deinonychus
  • 生息年代:白亜紀前期
  • 食性:肉食
  • 全長:約3メートル
  • 重さ:80キログラム
  • 化石が発見された場所:アメリカ合衆国

特徴

デイノニクスは小さな捕食性の恐竜であった。その骨格は中空の骨からできており、足は長くて強力であり、バランスのよい体をしていた。

デイノニクスの足の人差し指にはとても大きくて鋭く尖ったカギヅメがついていた。(これはほかの恐竜の爪とは異なるものである。)このカギヅメがデイノニクス(恐ろしい爪の意)の名前の由来になっている。同様のカギヅメはドロマエオサウルス類の恐竜(ドラマエオサウルスや、ヴェロキラプトルなど)にのみみられるものである。

歩いているときや走っているときには、この大きなカギヅメは、地面からもちあげた状態にしていた。獲物を攻撃するときだけ、このカギヅメを獲物の体に突き刺し、深く食い込ませて傷を負わせることができた。

生態

これまで、米国のモンタナ州の南部の発掘現場において、デイノニクスの化石は多数発掘されている。化石から、この恐竜が群れをなして狩りを行なっていたということが明らかになっている。群れをつくることで大型の獲物を倒すこともできただろう。前肢は獲物に向って飛びついたり、獲物をつかむのに用いられただろう。強力なアゴと後方に湾曲したギザギザの歯で獲物の肉を切り裂き、大きなカギヅメのついた後肢を使って獲物を倒しただろう。

化石について

1964年、米国のモンタナ州の南部で、古生物学者のジョン・オストロムとグラント・E・メイヤーによって、数百個のデイノニクスの骨が発見された。その後、1969年にジョン・オストロムはデイノニクスと命名・記載した。デイノニクスとは、「恐ろしい爪」という意味である。

この恐竜の発見は、それまでの恐竜に対する科学的な概念を変えることになった。それまでは、恐竜はのろまな冷血動物であるというのが一般的な定説であった。デイノニクスの発見により、恐竜は敏捷な温血動物であったという新しい考え方が生まれたのである。

デイノニクスについてのジョン・オストロムの研究は有名である。彼の研究以前では、獣脚竜は二つの主要なグループに分類されていた。それは、カルノサウルス類とコエルロサウルリア類であった。ジョン・オストロムは、デイノニクスがこれら二つのグループの特徴をあわせもっているということを示した。オストロムの主張により、古い分類が間違っていたということを、ほかの古生物学者たちは確信するようになった。今では、何人かの古生物学者たちが、デイノニクスやその仲間のドロマエオサウルス類は恐竜よりも鳥類に近かったという風に考えている。

豆知識

ロバート・バッカーは1986年に出版された、『恐竜異説』という著書の中で、デイノニクスに鳥類と似た特徴が多く存在するという考えを発表した。最近の研究やフィリップ・カリーのような科学者の発見によると、デイノニクスと似た恐竜には、体のすべてや一部を羽毛のようなカバーで覆っているものが多いということである。この原始的な羽毛は、断熱の目的や繁殖期にオスがメスに対してアピールするために用いられた可能性がある。それが結果として飛行可能な羽毛に進化したのであろう。

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