ヘテロドントサウルス
基本データ
- 分類:鳥脚類
- 属名:Heterodontosaurus
- 生息年代:ジュラ紀前期
- 食性:植物食
- 全長:約1.5メートル
- 重さ:20キログラム
- 化石が発見された場所:南アフリカ共和国
特徴
ヘテロドントサウルスは、二足歩行をする小さな草食恐竜であった。前肢はがっしりとしていて、おそらくモノをつかむこともできたと思われる。
ヘテロドントサウルスの骨盤は長く、恥骨は後の時代になって登場する鳥盤類のそれに似ていた。後肢は長く、下肢は腿の部分よりも長かった。膝と足首の関節は、足の前後の運動だけを可能にしていた。ヘテロドントサウルスが後肢を使って速く走っただろうということは、今あげたようなことから裏付けられている。ヘテロドントサウルスは足の速さを存分に活かして肉食恐竜から逃れただろう。
ヘテロドントサウルスの頭骨の大きさは、ウサギの頭骨と同じくらいの大きさであった。そして、ヘテロドントサウルスの一番の特徴といったらそれは何といっても歯である。たいていの恐竜の口には同じような形の歯が並んでいるが、ヘテロドントサウルスは3種類の歯をもっていた。口の一番前に並んでいた歯は小さく、植物を切り取るのに適していた。この歯の後ろには、牙状の歯があって人間の犬歯のような形をしていた。そして、一番後ろの頬の部分の歯は咀嚼に適した形をしていた。これらの歯はエナメル質で厚く覆われていたので、この恐竜は絶え間なく口の中で噛み続けることができた。ヘテロドントサウルスの歯はレソトサウルスの歯よりも発達していたが、これら二つの恐竜の歯は、当時のほかの草食恐竜よりも、植物を食べるのに適していた。
ヘテロドントサウルスに生えていた牙状の歯についてであるが、これは何のために用いられていたのかについては明らかになっていない。繁殖期にオスがメスをひきつけるために、この牙状の歯をむきだしてみせたかもしれない。あるいは、オス同士が戦うときに相手を威嚇するために、この歯を使ったかもしれない。
化石について
ヘテロドントサウルスの化石が最初に発見されたのは南アフリカであった。1962年にアラン・J・チャリグとアルフレッド・W・クロンプトンによって記載された。ヘテロドントサウルスとは、「異なる歯をもつトカゲ」という意味である。
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