スクテロサウルス

基本データ

  • 分類:原始的な装盾類
  • 属名:Scutellosaurus
  • 生息年代:ジュラ紀前期
  • 食性:植物食
  • 全長:1.4メートル
  • 重さ:10キログラム
  • 化石が発見された場所:米国

特徴

スクテロサウルスは初期の鳥盤類のひとつである。この恐竜で特徴的なのは、装盾類であるのにもかかわらず、二足歩行をしたということである。たいていの装盾類の恐竜というのは体が大きく四足歩行をしたが、スクテロサウルスは体が小さく、コリー犬ほどの大きさしかなかった。頭骨の骨はほかの装盾類と同じようにほっそりとしていた。アゴには力強い筋肉がついていて強靭であった。前歯は刃物のような形をしていて、これはエサである植物を噛み切るのに役立っただろう。アゴの側面についていた歯はとがっており、エサを効率よく咀嚼したことだろう。

二足歩行をする動物にしては、前肢は強力であった。前肢は比較的大きかったので、ときには四足歩行をすることもあっただろう。尻尾は強力であり、歩くときにバランスをとるのに役立っただけではなく、捕食者に対して尻尾を使って身を守ることもできただろう。

スクテロサウルスの奇妙な特徴は、体を覆っていた無数の小さな骨質の皿であり、それは首や背中、胸郭、尻尾などを覆っていた。その骨質の皿というのは、現代のワニの皮膚の上を覆っている皮骨に似ていた。

また、背中には三角形の骨板がならんでいて、それはステゴサウルスの骨板と似ていた。だが、スクテロサウルスの骨板の機能というのは、ステゴサウルスのそれと異なっていた。ステゴサウルスの骨板はサイズがより大きく、体内の温度を調節する役割を果たした。一方、スクテロサウルスの骨板は小さくて、体温を調節するような機能は必要としなかった。

背面を覆っていた装甲という特徴から、スクテロサウルスは、ステゴサウルスやアンキロサウルスの祖先であるとも考えられている。このジュラ紀と白亜紀の後期に生息していた二つの恐竜については、装甲が頑丈で重たくできており、そのため常に四足歩行をしなければならなかった。

スクテロサウルスに近縁の恐竜としては、南アフリカに生息していたレソトサウルスがいて、生息年代もほぼ同じである。レソトサウルスの背面には装甲がなく、スクテロサウルスよりも前肢が短かった。そのため、歩いたり走ったりするのに後肢を使う場面が多かっただろう。

化石について

スクテロサウルスは米国のアリゾナ州で発見された。化石の記載は1981年のことである。スクテロサウルスとは、「小さな盾をもつトカゲ」という意味である。

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