スピノサウルス

基本データ

  • 分類:獣脚類
  • 属名:Spinosaurus
  • 生息年代:白亜紀後期
  • 食性:肉食
  • 全長:14メートル
  • 重さ:3000キログラム
  • 化石が発見された場所:アフリカ北部

特徴

スピノサウルスは大型の獣脚類であった。スピノサウルスとは、「トゲのあるトカゲ」という意味であり、それは脊椎骨から伸びた神経棘に由来する。この神経棘は、背中全体についていて、横から見ると船の「帆」のような形をしていた。この帆は一番高いところでは1.5メートルにも達した。面白いのは、背中に「帆」がついていた恐竜として、ちょうど同じ時代の北アフリカにオウラノサウルスがいたことである。(オウラノサウルスは植物食の鳥脚類であった。)これら二つの恐竜は直接的には関係が無い。だが、背中に「帆」をもつという特徴をもった別の恐竜が、同じ地域に生息していたのは、気候が恐竜の体のつくりに影響を与えたからだろう。この背中の「帆」はおそらく、体温を調節する器官であり、暑い日には熱を放出し、寒い日には熱を吸収する役目を果たした。また、求愛や縄張りを示すときにも、自分の存在をアピールするためにこの「帆」が使われただろう。

発見された骨は不完全なものであるが、スピノサウルスはいくつかの面白い特徴を示している。歯はほかの獣脚類と異なっていた。歯が一般的な獣脚類の歯とくらべるとギザギザしていなかったのである。歯の形は、刃物のように鋭くはなく、円錐のような形であった。これらの歯や、頭骨の形などの特徴から、スピノサウルスはバリオニクスと関係が深いと考えられている。この二つの恐竜はスピノサウルス類に属する。スピノサウルスは魚類をエサにしていたと思われるが、この恐竜の体のサイズを考えると、生きている魚を捕獲していたとは考えにくい。魚だけではなくて、陸地に生息する動物もエサにしていたのではないかと思われる。

また、科学者の中には、スピノサウルスが腐食性動物であり、ワニのような形をした口を使って動物の死骸をあさっていたのではないかと考える者もいる。

化石について


1912年に、ドイツの古生物学者のエルンスト・シュトローマーがエジプトで、スピノサウルスを最初に発見した。化石が記載されたのは、1915年のことである。その後、スピノサウルスのもともとあった骨格は、第二次世界大戦のときに爆撃で失われてしまった。

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