バリオニクス

カーネギー博物館コレクション バリオニクス 4033-01

基本データ

  • 分類:獣脚類
  • 属名:Baryonyx
  • 生息年代:白亜紀前期
  • 食性:肉食
  • 全長:約9.5メートル
  • 重さ:2000キログラム
  • 化石が発見された場所:イングランド
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特徴

バリオニクスの胴体と後肢は、ほかの獣脚類のそれとたいへん似ていたが、同じではない部分もあった。たいていの獣脚類とは違って、前肢は長くてしっかりしたつくりになっていた。前肢が長く、丈夫であったことは、バリオニクスが時には四足歩行をしたかもしれないことを意味する。もしそうだとすると、バリオニクスは四足歩行をする唯一の獣脚竜であるということになる。

頭部は前肢よりももっと驚くべきものであった。たいていの獣脚類は、頭部は少し長いだけであり、ほとんどの場合、アゴには16本の歯がついているだけであった。しかし、バリオニクスの頭部はとても長かったのである。下あごはほっそりとしていて、32本の歯があった。また、たいていの獣脚類の頭部は、上か下から見るとU字か、V字型をしていた。一方で、バリオニクスの頭部はスプーンの形をしていたのである。バリオニクスの頭部と歯の形は、たいていの獣脚類よりも、魚類をエサにしているワニに似ていた。

ほかにバリオニクスの変わった特徴として、鼻の穴が吻の後ろにあったということがあげられる。(ほとんどの獣脚類の鼻の穴は吻の先端近くにある。)また、バリオニクスはほかの大型の肉食恐竜と違って、長い首をもっていた。これらの特徴から、科学者はバリオニクスが魚類をエサにしていたのではないかと考えている。バリオニクスは川岸をうろつきながら、長い首を水辺に伸ばし、大きなカギヅメを使って、泳いでいる魚類を捕まえていたのではないかと考えられる。

化石について

バリオニクスは、1983年にイングランドのサリー州で、アマチュアの化石収集家のウィリアム・ウォーカーによって発見された。彼が発見したのは30センチにも及ぶ大きなカギヅメであった。この恐竜の名前はこのカギヅメの化石にちなんでいる。(バリオニクスとは、「重々しい爪」という意味である。)

その後、大英自然史博物館の古生物学者たちが最初にバリオニクスが発見された場所に行って、ほぼ完全な全身骨格を発見した。バリオニクスはスピノサウルスに近い恐竜であり、また、イングランドで発見された化石の中では、最も完全な状態に近い獣脚竜の化石であった。

バリオニクスが魚類を食べていただろうというのは、発見された化石からもわかることである。バリオニクスの化石が発見されたとき、その胃の中に化石になった肉が一緒に発見された。胃の中に含まれていたのは、魚のうろこや、魚の骨、イグアノドンの幼体の骨の一部であった。今までのところ、バリオニクスは魚類を食べていた唯一の恐竜である。

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